近年よく聞く「ワーク・ライフ・バランス」ですが、一体どのような意味なのかご存知ですか?「なんとなくは知っていても説明しろと言われるとできない…」といった方が多いのではないでしょうか。この記事では、ワーク・ライフ・バランスとは何なのか、どのようなメリットがあるのかについて詳しく解説します。
ワーク・ライフ・バランスとは
ワーク・ライフ・バランスは直訳すると「仕事・私生活・均衡」となります。
つまり、わかりやすく言い換えると「仕事と私生活の均衡を保つ」ということになります。
決して、良いバランスと言っても「ただ単に同じくらい仕事と私生活を頑張れば良い」という意味ではありません。
あまたは仕事にやりがいを見出し、充実感を得ながら働くことによって社会での役割を全うし、その一方で私生活でも生活に必要な部分や趣味などに時間を費やすことができ、心身ともに健康的な生活を送ることが理想ではないでしょうか?
また、同様に近年焦点を当てられることの多い働き方改革ともワーク・ライフ・バランスは密接に関係しています。
先ほど説明した理想的な生活を送るためには生活の大部分が仕事になってしまい、私生活の充実が疎かになってしまうという状況は避けなければなりません。
そんなときに重要なのがこの働き方改革です。
両方のバランスをとりながら充実させるためにも働き方改革が重要ということになります。
なぜワーク・ライフ・バランスが注目されているのか
ではなぜ最近になってワーク・ライフ・バランスがこのように注目されるようになったのでしょうか。
その背景には、労働量の増加があります。
企業側は少子高齢化に伴う労働力の減少によって一人あたりの労働量を増やさざるを得なくなっているのです。そのため、一人ひとりの負担が大きくなり、私生活に悪影響を及ぼすことになってしまいます。
それだけでなく、このように負担が増えたことで、介護や子育てをしなければいけない人が仕事から離れてしまうことによって、更に個人への負担が大きくなるという問題点もあるのです。
つまり、前者のように私生活を充実させたい人のために労働時間を極力短くしたり、環境を良くしたりというのはもちろんのこと、労働時間などが制限されてしまう人でも働けるようにすることで労働力の確保を図っています。
これは、労働力を増やすだけでなく様々な事情により正規で働くことが難しく、豊かな生活を維持することができない、プライベートを優先するためかえって生活水準を下げざるを得ない人を減らすことにも繋がるのです。
これらの結果が多くの人の負担を軽減に繋がると考えられています。
ワーク・ライフ・バランスにはどのようなメリットがあるのか
ここまででワーク・ライフ・バランスにどのようなメリットがあるのか少し分かっていただけたのではないでしょうか。
では改めて、ワーク・ライフ・バランスのメリットをおさらいしましょう。
①仕事へのやる気・やりがいが出る
それまで義務的に行っていた作業も、私生活の充実によってモチベーションが上がることがあります。
休みなく働いていると終りが見えず、作業が停滞してしまいがちですが、私生活で楽しみな予定があれば「これを終わらせたら日曜日には〇〇があるから頑張ろう」と思い、作業に集中でるはずです。
また、その予定によってリフレッシュすることでそれ以降にも良い影響があると言われています。
②自分の状況に合わせることができる
先程働き方改革とワーク・ライフ・バランスの関連性について紹介した際に少し触れましたが、両親の介護をしなければいけなかったり、子供が生まれて子育てに集中しなければいけなかったりと、働きたい気持ちに反して働くことが難しい状況にある人もいます。
とはいえ、「忙しくて働くのが難しい人は働けません」と決めてしまっては、そういった人たちの生活の質を上げることは難しくなってしうでしょう。
そこで働き方改革を行えば、直接職場に出向く必要のないリモートワークでの仕事や、決められた短時間のみの仕事など、その人や時間の使い方にあった働き方ができ、ワーク・ライフ・バランスが整います。
③プライベートが疎かにならない
「親が仕事ばかりで家族との時間を取ってくれない」という不満はよく聞きますよね。家族のために仕事を頑張っているにも関わらず、それがかえって関係性の悪化に繋がってしまっては本末転倒です。
ワーク・ライフ・バランスが整えば、仕事を頑張りながら自分や家族の時間を取ることで、仕事と私生活の両方を充実させられます。
家族がいない場合でも、趣味に時間を使ったり友人と遊んで気分を入れ替えたりと、生活を充実させることに時間を使えるようになるでしょう。
これらは個人から見たメリットですが、もちろん企業側にもメリットも多数あります。
④生産性が上がる
会社で働いている人たちが私生活を充実させようとすると、効率よく仕事を行おうとします。時間内に仕事を終わらせたり、順調に仕事を進めるために考えて行動したり、仕事を早く終わらせたりと作業効率が上がるのではないかと期待ができます。
作業効率が上がることで生産性も向上し、結果的に企業側の利益も増えることになるのです。
⑤世間からのイメージがよくなる
ワーク・ライフ・バランスを重要とすると、社員に働きやすい会社であると世間からの企業へのイメージが良くなります。
企業に対するイメージは意外と大切で、取引先や利用している顧客からも良い印象を抱かれやすいのです。
普通の会社とそのワーク・ライフ・バランスに力を入れた会社の2つから働く企業を選ぶなら、従業員への待遇が良い会社のほうが良いと考える人がほとんどででしょう。
ワーク・ライフ・バランスに取り組むに為に必要なこと
様々なメリットがあるワーク・ライフ・バランスですが、実際に取り組むためにはどのようなことを行ったら良いのでしょうか。
まずは残業時間を減らすことです。日本の企業では残業時間の多さが度々問題になっていますが、残業時間によって自由な時間が減ってしまったり休息時間が減ってしまったりというデメリットがあります。
これらは心身の健康を害する可能性があるため、残業時間を少なくするところから始めると良いでしょう。
残業だけでなく、働く上で会社のシステムは合っているか、正しく機能しているかをよく確認してください。労働環境の改善が、仕事だけでなく私生活の充実に繋がります。
次に、休暇が十分に取れるかの確認、取れる場合には休暇を取って自分に時間を使いましょう。
忙しい毎日の中で生活を充実させるために必要なのは時間です。取れるはずの休みを活用して、遊んでリフレッシュしたり、休んだりと私生活の充実に繋げると良いです。
企業が行う取り組みとしては福利厚生の充実が挙げられます。従業員が快適に業務を行うために福利厚生を手厚くすることで支持率も上がり、先ほど紹介したような企業側のメリットを得られます。
まとめ
事実、まだ日本でワーク・ライフ・バランスを重要視している企業はさほど多くはありません。しかし、最近になってこの言葉を聞くことになったように、年々浸透しつつあるという事実も同時にあります。
ワーク・ライフ・バランスが意識されるようになってからの日が浅いため、まだあまり具体的な取り組みがされているところが少ないですが、少しずつ変化を見せてきているのではないでしょうか。
企業の改革はもちろんのこと、個々意識の変化が数年後の働き方に大きく影響を与えます。
自分がどのように仕事をしたいのか、どのような生活を思い描いているのかを再確認し、個人でできるところから始めることがワーク・ライフ・バランスの第一歩です。
投稿者プロフィール
- 岡下 俊介
-
関西大学工学部卒業
京都の株式会社日本LCAで経営コンサルタントを経験
株式会社IVPを経て自らIT企業(有限会社セブンシーズネット)を立ち上げ起業するが、その後脳出血で会社は廃業同時に半身不随の障害者となり、
約10年間、障害者雇用で職を転々とする。
10年後の2022年3月に銀座コーチングスクール認定コーチに合格
2022年4月からコーチングビジネス活動スタート、
現在、還暦超えの半身不随の身体障害者ながらプロコーチとしてエグゼクティブコーチングからパーソナルコーチングまで幅広い分野でコーチとして活躍中
コーチの紹介ページ
銀座コーチングスクール認定コーチ
最新の投稿
- 副業力・起業力2023年6月4日60歳を越えた半身不随の身体障害者でもコーチングビジネスの起業で稼ぐことが可能!
- 副業テクニック2023年2月23日副業で稼げている人がやっていることは!?
- 副業情報2023年1月1日ワークライフバランスと副業について
- 副業情報2022年12月21日副業に起業家精神必須